2015年1月29日木曜日

皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第2版

日本皮膚科学会で作成されているガイドラインが改定されました。
特に悪性黒色腫(メラノーマ)に関するところを幾つかご紹介したいと思います。
いずれも質問に対する推奨文という形式です。

1. 巨大型先天性色素細胞母斑に対してメラノーマの発生予防を目的とした予防的切除は勧められるか
  巨大型先天性色素細胞母斑患者がメラノーマを発生する危険性は有意に高く、若年で発生することが多いため、学童期に終了するような予防的切除を考慮してもよい。

> 一般的に生まれつきあるほくろは悪性化するリスクが低いとされていますが、巨大なもの(20cm以上)ですとリスクがあるということです


2. メラノーマの早期診断を目的としたダーモスコピーの使用は勧められるか
 ダーモスコピーに習熟した医師が用いればメラノーマの早期診断に役立つので、使用を強く勧める。

>ダーモスコピーによる診断は、皮膚科医にとっては日常的に行われることですので、当然ですが、有用性が改めて認められています。

3. メラノーマの原発巣に部分生検を行ってもよいか
 全切除生検が困難な大きな病変では部分生検を行ってもよい。

>以前は、メラノーマを疑う場合、部分生検をするべきではないとされていました。腫瘍を拡散してしまう可能性があると考えられていたからです。しかし、最近の研究で、局所再発率、生存率に差はないということがわかってきました。

他にも多くの質問に対する推奨文が掲載されています。
個人的に興味があるものを掲載させていただきました。

2015年1月22日木曜日

頭のふけ、かゆみ

で悩まれている方は多いとおもいます。
いろいろシャンプーを試してみたり、
1日に何度もシャンプーをしてもよくならないと
ご相談される方も多くあります。
そもそもふけとは何なのでしょうか
皮膚科学用語では
鱗屑というものをさします。
皮膚は一定の周期で生まれ変わっていますが、
最終的に鱗屑として剥がれ落ちていきます。
ですから、常に鱗屑、つまりふけはできているわけです。
ふけが気になるということはその量が通常よりも多いということを意味します。
鱗屑が多くなる原因として、皮膚自体に炎症を伴っている場合がほとんどです。
また、炎症の原因は以下の場合がほとんどです。
1. 脂漏性皮膚炎
2. 接触皮膚炎
3. 尋常性乾癬

脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い場所(特に被髪部位)に湿疹を生じるもので
ふけを生じる代表的な疾患です。

接触皮膚炎とは、かぶれのことですが、
シャンプー等によるかぶれをしっかりと調べておくことが重要です。

最後にまれですが尋常性乾癬という皮膚の病気があります。
こちらは、皮膚(特に表皮)のターンオーバーが亢進してしまう病気ですが、
新しい治療が増えてきている領域です。

いずれにしましても、しっかりとした診断のもとに治療が行われるべきですので
お気軽にご相談ください。



2015年1月15日木曜日

プロトピック軟膏

プロトピック軟膏はアトピー性皮膚炎に有効性のある外用薬で、
ステロイドとは別の機序で免疫を抑制することができます。
長所は
1. ステロイド外用薬のストロングクラスと同等の効き目がある
2. ステロイド外用薬にみられる皮膚萎縮を来さない
3. 正常な皮膚からは吸収されないため、予防的に外用することも可能

注意することは
1. 使用直後に刺激感が起こることが多い
 (徐々に慣れることが多い)
2. びらんを伴った皮膚炎には使用できない
3. 妊娠中は使用できない
4. 紫外線療法を実施中には使用できない
5. 2歳未満には使用できない
6. 1回あたりの塗布量は5gまで(成人)
7. 小児の塗布量は適宜減量する (小児用プロトピック 0.03%)
  2~5歳: 1g
  6~12歳:2~4g
  13歳以上: 5g


2015年1月8日木曜日

あけましておめでとうございます

今年も宜しくお願い申し上げます。
昨年4月に開院して以来、あっという間に時間が過ぎました。
その間にもさまざまなことがありましたし、
私自身もいろいろと考えを少しずつですが変えてきた部分もあります。
その中で、
地域を愛し、地域に愛されるクリニックを目指す
という理念に常に立ち返りながら診療を続けていきたいと思っています。
実践するのは、簡単ではありませんが、
これについてはぶれずに頑張りたいと思っています。
これからも何卒宜しくお願い申し上げます。