2014年5月15日木曜日

アトピー性皮膚炎における

TARC (Thymus and Activation-Regulated Chemokine)について

アトピー性皮膚炎は、全身の湿疹を引き起こす代表的な疾患ですね。
ホームページの本文でも書かせて頂きましたが、
大きく
  1. バリア機能障害
  2. アレルギー異常
が関与していると言われています。
重症度や、病勢を評価するのは、
皮膚科医による視診、触診が重要であるのは
言うまでもないのですが、
血液検査によってある程度客観的に判定することが出来ます。
実際に診療していると、重症の患者さんであっても
ご自分では毎日つきあっている皮膚なので、
どの程度悪いのかは、
客観的に判断がつかなくなっている方が多いような気がします。
そこで知って頂きたいのが、
TARC
という検査です。
一般的な血液検査と同様に調べることができます。
かなり鋭敏にアトピー性皮膚炎の病勢を反映しますので、
もう治っていて保湿剤だけでいいと思っている方でも
実は数値では、まだ治っていないということが分かる場合もあります。
アトピー性皮膚炎で重要なことは、
炎症が残っていてステロイドによる治療の必要があるのか
あるいは
もう炎症は落ち着いているので保湿剤による予防でいいのか
の判断を正しく行っていくことです。
治療と予防を明確に分けることが重要です。
必要もないのに漫然とステロイドを使用することのないように
定期的にTARCにより確認することをお勧めします。