2014年7月10日木曜日

小児皮膚科学会

先週末ですが、
小児皮膚科学会に参加してきました。
開業後初めての学会参加となりました。
これまでは、長らく大学で指導している立場でしたので、
学会に行くということは、発表をすることを前提としていましたが、
今回は、のんびりと発表を聞く立場で参加させていただきました。
自分の発表がないと、
落ち着いて演題に集中して聞くことが出来ますね。
さて、すばらしい発表が多かった中でいくつかトピックをこちらでも共有できたらと思っています。

1. モーラステープによる光接触皮膚炎 
湿布を貼った部位に紫外線があたることで、皮膚炎が誘発されることは以前からよく知られていますが、処方薬ではなく、市販薬が普及してきたことで改めて注目されているようです。気軽に薬局でお薬を購入できるようになったことはいいことですが、副作用については、いわゆる自己責任ということなのでしょうか。この皮膚炎の重篤さは、一度感作されると、紫外線によって相当期間皮膚炎が続いてしまうということと、皮膚炎が全身に及ぶこともあるということです(湿布を貼っていなかったところにも)。残念ながら厚労省も副作用には目をつぶっているようです(ちょっと無責任な感じですが)

2. 花粉による眼瞼炎
眼瞼炎はアトピー性皮膚炎に合併することも多いですが、花粉による眼瞼炎が見過ごされていることが多いという発表がありました。ステロイドよりもプロトピックが有効な場合が多いということも興味深かったです

3. 外用剤について
a. 混合軟膏について
よくステロイド軟膏と保湿剤を混合しますが、混合することによりステロイドが希釈されるわけではないというお話でした。例えば、リンデロン軟膏とヒルドイドソフトを 1:1 で混合しますが、リンデロンの効力は半分になる訳ではないということでした。

b. 保湿剤の剤形について
保湿剤って、軟膏、クリーム、ローションなどありますね。私もいろいろな剤形を処方させていただいています。保湿因子が配合されているヒルドイドソフト等が保湿効果が高いことは当然ですが、小児期では、ワセリンでもほぼ同等の保湿効果があるということでした。また意外なのですが、ローションは、クリームよりも保湿効果が高いということでした。

他にもすばらしい発表がありました。
やはり、学会に参加するのが、効率的に勉強できますね。
特に開業後は、診療に忙しくなってきますので、まとまった勉強時間を確保しにくくなってきます。
できるだけ学会に参加して、知識をブラッシュアップしていきたいと考えています。