2014年8月14日木曜日

紫外線による皮膚障害

紫外線の皮膚に対する影響は、ビタミンDの生合成を除くと、
ほとんどが傷害作用です。
急性に大量に暴露されると
サンバーンとよばれる現象を起こし、後に
サンタンとよばれる現象を引き起こします。
サンバーンは、最小紅斑量とよばれる一定の紫外線量を超える紫外線暴露により
引き起こされ、通常4時間後頃より赤くなる現象です。
24時間後にピークをむかえ、軽度であればひりひりする程度ですが、
大量に急激に暴露されると、灼熱感や、水疱を生じたりもします。
赤み(紅斑とよばれる)は3日間程度で引きますが、
それに引き続いて一種の防御機序であるサンタン(色素沈着)が生じます。
紫外線の慢性あるいは蓄積性の傷害としては、
皮膚がんの発生がありますが、
ここでは急性の傷害についてお話します。
先のサンバーン(赤み)の治療については、
いろいろと行われますが、
いわゆるエビデンスレベルの高い治療というのは、あまり存在しないようです。
一般的に行われるステロイドの外用や内服ですら、
論文レベルでは、あまり高いエビデンスがありません。
(効果がないとする論文もあります)
むしろNSAIDs とよばれる炎症を抑えるお薬(ボルタレンやロキソニンなど)
の方が、自覚症状の軽減に役立つという報告もあるようです。
ただ、経験的に、ステロイドの使用は効果があると思いますので、
ひどい日焼けをしてしまった場合は、
早めに受診するようにしてください。
くれぐれも予防が最も大事ですので、
海に行くときなどは、
日焼け止めをしっかり塗るように心がけてください